香港で自動車メーカーのエンジニアとして海外勤務 工場の立ち上げを指導する

香港の自動車メーカーのエンジニアとして働いた方の体験談を紹介します。

私は自動車メーカーでエンジニアとして勤務していた経験がありますが、そのときに海外での工場の立ち上げに伴って半年間香港に海外勤務したことがあります。
仕事内容は生産技術者として工場の立ち上げの指導・観察と工場で勤務する現地の中国人作業員に仕事のやり方を指導することでした。
工場の立ち上げを指導・観察する仕事は何事もなく終わりましたが、現地の中国人に仕事を教えることは想像以上に大変でした。
まず、仕事に対する心構えのようなものに私と温度差があることに驚きました。
例えば、出勤時間に遅刻してくるのは当たり前で、仕事中も私に隠れてサボっている従業員がいるなど、一生懸命さがまったく伝わってきませんでした。
中国人の従業員とは現地で手配した通訳を介してコミュニケーションをとっていましたが、皆日本人の私に不信感を持っているのか中々心を開いてくれなかったです。
厳しく注意するとふてくされたような態度をとり、かといって甘く接すると舐められてしまうので接し方にはとても悩みました。
特に当時中国人の作業員の方々に任せていたのはライン作業による自動車の組立だったので、チームワークがないと成立しない仕事です。
仮に一人がサボってしまうと他の作業員が過重に作業をしなければならない仕事なので、一人の気の緩みが職場全体の士気に関わります。
そこで、私は現地の従業員に対しては通訳に頼らずにできるだけ自分から中国語で話しかけるように心掛けました。
拙い中国語だったので初めは現地の中国人にヘラヘラ笑われる毎日でしたが、そんな私の気持ちが伝わったのか、作業員たちは徐々に私の話を聞いてくれるようになりました。
いつしか仕事終わりには中国人の従業員と一緒に中華を食べに行ったり、香港で盛んなサッカーの試合を一緒に観に行ったりして親睦を深めるようになりました。
その甲斐もあってか、中国人の従業員の方々は皆仕事に対して熱心に取り組んでくれるようになりました。
私が香港に滞在したのは半年間という短い期間でしたが、機会があればまた訪れたい場所です。
日本と同じアジアということもあり、香港はとても住みやすい場所でした。
特に私が滞在していたのは香港の都心から車で10分ほどの場所だったこともあり、日本食のレストランが軒を連ねていて食事には困りませんでした。
もちろん、現地の中華料理も美味しかったですが、日本のものよりも油が濃かったことから胃もたれすることも少なくなかったです。
また、香港は夜遅くまでマーケットがにぎわっていることからとても活気のある場所でした。
ホームシックになることはなかったです。
帰り際は仲良くなった現地の方々から惜別の言葉と手紙も頂いたので、また近い内に訪れるつもりです。