アメリカ・ノースカロライナ州にある日系自動車部品製造メーカー、設計製造を監督する

アメリカ、ノースカロライナ州にある工場で製造を監督する任務した方の体験談を紹介します。

私は、日本のメーカーで設計部門に所属していました。新製品の設計や既製品のマイナーチェンジを行う部署です。ノースカロライナ州に工場があり、そちらの製造を監督する任務で5年間赴任しました。
現地採用のアメリカ人は約50名。それに対して日本から赴任している駐在員は4~5名です。アメリカ国内向けの生産ラインがあり、日本から指示される新製品のラインへの投入を調整するのが私の役目でした。
困ったのは時差です。新製品の投入が決まると日本の様々な部署とのコミュニケーションが必要だったのですが、メールだけでは詳細がどうしても伝わりません。電話での連絡が必須でしたが、現地と日本の時差が14時間。
ほぼ昼夜が逆ですので、どちらかの社員が居残っての電話連絡を行っていました。話の内容によって他の社員へかわってもらいたくてもその人は退社後というような状況が結構あり、なかなか打ち合わせが進行しなことも多かったです。
日本国内での勤務と大きく異なっていて面白かったのは、サマータイム制です。現地時間の朝7:00でしたので勤務が終わるのは16:00。
夏場は20:00過ぎまで明るかったので、勤務が終わるとゴルフ場へ直行。サクサク回れば1ラウンド、時間がかかってもハーフをラウンドすることができてしまいました。毎日のようにゴルフを楽しみました。安いところですと、2,000円程度で18ホール回れたので贅沢な趣味ではありませんでした。
現地では2LDKのアパートに一人暮らし。家具付きだったので、購入したのはわずかな電化製のみでした。ウッドデッキのテラスがあって早朝にはリスがエサを貰いにやってくるというのどかな地域でした。治安は結構良かったので安心して暮らすことができました。
現地の従業員は、もちろん全員車での通勤です。電車はありません。出勤時間帯に大雨が降ったり、ひどい雷、または雪が降ったりすると、当日急に休みを取る社員がいて結構困ったものです。
日本人ならなんとしてでも会社を目指そうとするのですが、そんな考えはアメリカ人には通用しませんでした。「昨日冷え込んで道路が凍っているかもしれないから休みます」と努力も無しに休みを宣言する従業員もいて苦労しました。
製造ラインがあるので、急きょ日本人が休んだ従業員の持ち場に入らざるを得ないこともしばしばでした。そのために本来やらなければならない自分の担当業務が先延ばしになったりしました。
また、給料の支払日が月に2回あることも、最初は慣れませんでした。アメリカ人はなるべく細かく複数回にわたって支給されるのを望んでいました。貯蓄という考えがあまりないからかもしれません。