ヨーロッパで働きたくて。スペイン・バルセロナで木製家具製造と現場設置、家具デザインの仕事求人に応募

次にヨーロッパで働くことを模索し、履歴書を200カ国以上に送って見事スペインで働くことができた方の体験談を紹介します。

バルセロナの会社で働くきっかけは、当時私は日系企業でベトナム勤務をしていて、元々は木製家具職人でしたが現地の家具製造工場で品質管理や技術指導の仕事に就いていました。
その会社は、はっきり申し上げてベトナム人を奴隷のような扱いをしていて、私個人ではとてもその状況を改善出来ないほどであったため、日系企業ではなくヨーロッパの企業で、ヨーロッパ国内で働くことは出来ないかを模索していました。
ヨーロッパの就労状況は分りませんでしたが、英文で履歴書を作ってとにかく家具会社のホームページにある問い合わせ先のメールアドレスに、一方的ですが履歴書とポートフォリオを15カ国200以上送りました。
この履歴書送りつけ作業を1年程続けました。するとあるタイミングで3件ほど返信があり、チェコ、スペイン、オランダの家具製造、デザイン会社からオファーをもらうことが出来ました。
この中で一番興味をそそられたスペインの会社とスカイプで面接と交渉をし、現地で働くことが決定しました。ちなみにその次に、オランダの会社でも働いています。
バルセロナの会社では、同じオフィスに2つの家具会社が入っていて、雇用先は1つでしたが、2つの会社の作業を掛け持ちでやっていました。
基本的にオファーのあった会社の仕事7割、もう一つの会社の仕事を3割で働いていて、給料はオファーのあった会社から全額支給されていました。
仕事の内容は、オリジナル家具の製造とデザイン業務、店舗や一般住宅、公共施設向けに据付家具の製造と設置でした。
2つの会社を併せても従業員は5名だけで、私とボスが図面を読んで他の従業員の作業を指示するという形態で、ボスは英語が堪能でしたが、従業員がスペイン語しか話せなかったためとても苦労しました。
ただ日本の会社と違い、皆オープンで気持ちのいい人ばかりで、和気藹々と楽しい雰囲気で仕事が出来ました。
四半期に一度、展示会が行われてその接客なども業務の1つでしたが、その際に、製作したパンフレットと横断幕がスペイン語、英語、ドイツ語(本社がドイツのフランクフルトにあったため)、日本語で作られていて、何故日本語があるのかをボスに訪ねると、自分の会社に日本人がいるのだから、日本語を載せるのは当たり前のことだと言われて、とても感動したのを今でも覚えています。
ただ日本人として思うことは、もう少し仕事に真剣さが必要なのではとも思いました。
仕事中にサッカーの話に夢中になったり、シエスタ(昼休み)明けも仕事に戻ってこなかったり、急に酒を飲み始めて宴会になったり、その尻拭いはされました。
ただそんなこともどうでも良くなるくらいの楽しい職場であったので、1年以上ビザを延ばせなかったのがとても残念でした。